最近(2013年7月)、こんな事例にあたりました。
通算老齢の国民年金と厚生年金をそれぞれ受給されている方のご相談でした。
現況届の未提出で厚生年金が差止めされているとのこと。
『国民年金は出ているんですか?』
通帳を確認すると、国民年金と記帳されています。
『市役所で、確認すると住民票で生存確認するので勝手に入金されると云われました。』
『?』
そうなんです。
現在、住民票がある方は、年金の基礎年金番号と住民票コード番号(※現在は、個人番号いわゆるマイナンバー)が突合されていて住民票のデータで生存確認されます。
それぞれの年金証書を見せていただくと・・・。
国民年金と厚生年金の基礎年金番号が違うではありませんか!
基礎年金番号が違うと、氏名・生年月日が同一でも別人ということになります。
この方の場合、国民年金の基礎年金番号と住民票コードは突合済みだったのですが、厚生年金の方は、突合されておらず、現況届の提出が必要となっていたわけです。
では、なぜ、厚生年金の方は突合されなかったのでしょうか?
厚生年金の住所が、お世話されている方の住所(住民票上の住所ではない)になっていました。
住民票上の住所ではないので、厚生年金の基礎年金番号と住民票コードが突合できません。
結果、住民票なしということで、現在も現況届が必要になっていたと思われます。
差止めされていた厚生年金は、現況届の提出で遡って支払われます。
この方の場合、問題は、それだけではありませんでした。
基礎年金番号は平成9年に導入されました。
それ以前は、国民年金・厚生年金それぞれ番号があったわけです。
この方の場合、国民年金番号・厚生年金番号でそれぞれ年金を受給されていたわけですが、本来、平成9年にひとつの基礎年金番号に統合されるべきでした。
今回、基礎年金番号重複取消届を提出することで基礎年金番号はひとつとなります。
その届を出していただくことに・・・。
これでお終いかと思いきや・・・。
通算老齢国民年金の記録を確認すると年金額に反映されていない厚生年金の記録が判明。
ここで通算老齢年金の説明をしますと
大正15(1926)年4月1日以前生まれの人で、複数の年金制度に加入し、それぞれの加入期間が1年以上あるが、その制度から老齢年金を受けられない等 の場合、各制度の加入期間を通算することにより受給資格要件を満たしたときに、それぞれの加入期間に応じて支給されます。
というわけで、厚生年金の再計算が必要となりました。
非常にレアなケースだと思いますが、未だにこんなことがあるとは驚きました。
ここまで特殊なケースではないにしても、年金請求時に記録を確認すると未統合の記録が出てくる場合が多々あります。